移動教室の時も、三神君は『一緒に行こう!』と誘った女子と出て行ってしまって、



私はそれをチラッと見ながらも気にしないふり。



もしかしたら、三神君にとって『彼女』ってのはただの気まぐれなのかもしれない。



もしも何かあった時、『彼女』の存在を盾に出来るように。




だから文句を言わなそうな…平凡な私を選んだのだろうか?

私がこうやって…世間でいう浮気を目の前にしても文句を言えないのを分かって…






真知恵と希美に『馬鹿七穂行くよ』と言われて、私は移動教室の為廊下を歩く。






次の教室は校舎の一番端だから歩く距離が結構ある。




目の前に教室が見えてきたところで、移動教室の目の前…校舎の端で三神君と綺麗な女子が向かい合って何か話していた。


女子が話して、三神君は聞いているのかいないのか、無表情だったけど、

女子が三神君の制服の裾を握っててもそれを咎める事は無くて、


パッと見ればカップルが仲良くしている様に見える。





ああ…また。