カウンターテーブルに手を付いてこちらを覗く三神君の顔は、 何だかピリピリしたものがあって、 私も、多分隣の大輝もこのただならぬ雰囲気の到来に汗がにじみ出てきている。 そのまま動けず話せずの私達二人を見て、 三神君は『チっ』と一つ舌打ちをすると…… 「取りあえず、その手離せ」 低い声で私たちの重なり合った手を顎で指した。