好きなんて、言えるかよ。



まだ関わってこようとするなんてズルイ人。


だけど、私も私だ。

こんな人にまだ心臓がドキドキしてる。


出来るだけ、顔をみないように

話していると誠くんは私の髪にすっ、と手を伸ばした。


「な、何……」


ビクリと反応してしまったのが悔しい。

彼は年上らしい余裕を見せてふっ、と笑うと


「何もしないよ」

そうやって私を安心させた。



髪を触られる時点で何もしてなくはない。

そして私の長い髪を手のひらで撫でた時


「髪……下ろしてんだ?」

少し、低い声で言う。