好きなんて、言えるかよ。




「仁菜、久しぶりだね。」


「誠くん……」


どうしてここに。

何でこの教室に入って来たの。


私は驚きで言葉が出ない。

向かいの席に座る誠くんをただ、見てることしかできなくて

心臓はドキドキと音を鳴らす。


「何でここに来たの……」


やっと言葉が出ても、声が震える。

緊張してるってすぐ分かる。


だって誠くんと話すのは

別れた時以来だから。


「そんな冷たいこと言うなよ

ただ仁菜が見えたから来ただけだよ」


彼女がいるクセに。

私の事、好きじゃなかったくせに。