だって言われたくないに決まってる。 私はまだ、彼の事が好きなんだから……。 悔しくて、唇をぎゅっと噛み締めていると、 高村は鼻で笑って言った。 「バカだね。仁菜ちゃん。 俺から逃げられるわけないのに」 そんな低い声が、聞こえたと思ったら そこまでなかった距離を詰めてくる。 そして、一歩、また一歩と 高村との距離が縮められた時 彼は言った。 「俺に反抗したら、どうなるか 教えてやるよ。」 ヤバイ、これはマズイ。 私の危険信号はカンカンと鳴っている。