「俺さ、転校無くなった」


……へ?


「いや、無くなったわけじゃねぇんだけど……

昨日親父がお前とのやりとりを少し聞いてたみたいで

俺が家の中に戻った時に……」



『隼人、あの子は彼女か?』


『ああ……』


『今までお前のことも考えずに辛い思いをさせて

すまなかったな。

父さん、不安だったから今まで言わなかったんだが

大切な人がこの場所にいて、今この場所を離れたくないと思うなら

お前はここに残るか?』



「親父がそうやって言ってくれたんだ

本当は一緒に来てほしかったみてぇなんだけど」