「ああ」


中学の時、新しい学校に行って

付き合っていなくて良かったと本気で思った。


付き合っていたら、絶対に寂しい思いをさせる。


パシリにして、嫌われて良かった。


そんな寂しい思いをするのは俺だけで十分だから。



「お前、本当分かってねぇな」


すると、井上はポツリとつぶやいた。



「そうやって寂しい時、辛い時に

助けてやるのが友達なんじゃねぇの?


どっちかが挫折しそうになった時

お互いを支え合うのが


恋人なんじゃねぇの?」


「…………っ。」