「俺、いっつもそうなんだ

好きだって実感したり

大切にしてぇと思った時に限って転校決まんの。

切ねぇのな……。」


一番悲しいのは彼だって分かってる。

辛いのも全部彼の方だって


だけど、


「嫌だよ……っ

行ってほしくないよ」


私は、大人じゃないから

そんなわがままを言ってしまうんだ。


「うん。」


そしたら高村は優しく笑った。


愛おしそうに目を細め、


私の頭を撫でて、そして言う。



「だから、別れようか」