好きなんて、言えるかよ。



「仁菜。」


甘い声が落ちてくる。

この声は好きだけどちょっとくすぐったくて

きゅっと目をつぶる。


そしたら高村は私のアゴを優しくあげて

キスを落とした。


「……んっ。」


いっつも最初は優しくて

触れるだけ。


だけど、だんだん


「ふぅ……ん。」


深くなって、苦しくなって


「んぅ……。」


ちょっと心地いい。


私は高村としかキスをしたことがないから分からないけど……


うまいと思った。