好きなんて、言えるかよ。



「やばいって……」


「だって、お前の匂いに包まれた部屋じゃん

そんで隣にお前。


仁菜ちゃん、この後どうなると思う?」


にやりと笑う彼に

はっ、と危ない予感がして高村と距離をとる。


そして、少し離れたところに行こうと思ったら


私は、ぐいっと手を引かれて


「きゃ……っ」

高村に前から抱きしめられた。


「ちょ、何す……」


「逃がさねぇよ」

この表情の彼は危険だ。

早く逃げなくちゃ!


なんて思っているけれど

ぎゅっと包まれた彼の中

抜け出すことが出来なかった。