「……触らないでって

言ったでしょっ……!」


それだったら、本当に最低な人だ。

好きになった理由すらも忘れてしまいたいくらい


最低な人。


しかし、


「何で?」


彼はそんな私の事を気にもせず

すっ、と触れようとしてきた。


嫌っー。


そうやって目をつぶった時


ダンッー!


大きな音とともに、

普段、聞いたこともないような低い声がした。