戻ると、スノウが濡れたワンピース姿のまま、入り口で立っていた。

「どうした、はやく着替えないと」

 近寄りながら話しかけるが、スノウは空をじっと見たまま、こちらに見向きもしない。

「だめ……」

 小さくスノウが呟き、膝をついてしまう。

「……スノウ?」

 駆け寄って顔色を見てみる。依然として白いのは変わらないが、別に異常は見て取れない。

「おい、大丈」

 言葉は最後まで紡げなかった。またしても、雷が鳴り響いたのだ。

 そして、轟音と共に振動が伝わってくるのを感じる。これは確実に落ちたのだろう。

「ッ! なんだ、この異様な悪臭は!? 」

 そして鼻がもげるような匂いが何処からか漂ってくる。更には、怯えたような表情のスノウ……

「なんだ…なんだなんだ? 何が起きた? 」

 この前雷が鳴った時はスノウと出会った。もし、この雷がなにかの予兆なのだとしたら……また、何かに出会うのか?

「どっちにしろ、この匂いじゃろくな事じゃないことは確かだな」

 膝をついたままのスノウをいったんそのままに、ガレージの奥から鉄パイプを一本持ってくる。

 そして、この前拾った拳銃をベルトに入れて、弾薬ケースバラし、弾薬をを小さな袋に詰めて持ってくる。

 そんな時、猫たちが外に向かって威嚇していることに気が付いた。