「あ、ありがとぅ…いくら…?」

「払ったから」

「……え?」

「それより片付けの邪魔になるからココ出ろ」

「………払ってくれたの…?」


片桐がそんなことしてくれるなんて…予想外というか、相当な迷惑をかけてるとお財布を引かずに3000円取り出して片桐の胸に押し付けた。


「ダメッ…そうゆうことゎ…きちんとしないと…お隣さんの仲なんだから…」

「はいはい、じゃぁ外出て家の前でくれる?そのお金」

変にたしなめられてるような気がしたけど、そこまで考える力なくておぼつかない足取りを片桐に支えられお店を出た。




「あんたスゲェ飲む割に、酔うの早い」

「…うるさいなぁ…昔から酔うとすっごい眠くなっちゃうの…」

だからこないだカイトにお世話になってしまった。一度落ちた睡魔は中々強敵でその間のことすっぽり忘れてしまう。
片桐にまで迷惑かけられないと、真っ直ぐ歩こうとするけど支えがあるから歩けてる状態だ。

腕をしっかり掴んでくれる片桐の横顔をチラッと見た。月明かりに照らされた髪の毛が透き通ってキレイ。



「こんな女…嫌いでしょ…?」

「は?」

「こんな…酔っぱらってぇー…迷惑かけて…嫌いなら…嫌いって言ってね…」

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