それから、たくさん話した。
出会いの経緯とか、学校のこととか…。
それから、ソワソワし始めた仁が、何度も口を開こうとしては閉じ、しては閉じしてるから、じれったくなって声をかけた。
「ねえ、お二人さん。こんなオバサンと、若造の夜をこのまま過ごしていいのかしら?仁、やりたいことがあるなら、言いいな。回りくどいのは好まない」
一瞬驚いた顔をした。
が、すぐ冷静を取り戻し真面目な顔になった。
男の顔。
「千秋さん、俺はコイツと、希と暮らしたい。希の両親には許可をもらった。希には、俺らのチームのことで、危ない目に合わせてる。だから、俺が希を、チームの頭として、1人の男として守り抜きたい。お願いします」
男になった。大きな、強い目。
泣き虫だったあの頃とは違う。
仁は、あたしの知らないところで、1人の大切な人を守れるぐらいの男に成長した。
