「千秋さん酷い」
ひどいも何も…
誰が見てもそうだよ。
と、心で突っ込むも虚しく…。
気になっていたことを問いかけることにした。
「いつから?」
「俺が高1の夏休み」
希ちゃんは、わけがわからないという表情をしている。
「あ、あぁ、悪りぃな。千秋さんは主語が俺らの会話以上にねえんだ」
俺らって、チームのことも話すほど信用してるのね。
「希ちゃん、仁といると大変じゃない?」
「全然です。楽しいですよ。優しいし、最初喧嘩を見たときは怖かったですけど、みんないい人だって分かったので」
仁よかったわね。
希ちゃんのような人が居て。
あたしは、安心した。
愛を知らなかった仁に、愛を与えてあげることが出来て。
