同じ言葉を繰り返しながら、何か間違った気がする。
望は立ち上がると、再びあたしを囲い込むようにした。
近い、さっきよりも近い。
あたしの足の間に望の足があって、密着度が上がってしまった。
「さっき俺が言った意味、わかってる?」
さっきってどれのことだろう。
考えがまとまらない。
ドキドキと心臓が早鐘のように打つ。
ヤバい――。
今、密室で二人きりだ。
わかりきってたはずの状況を再確認して、頭が真っ白になった。
「閉じ込められてちょうど良かったな」
望は、あたしのすぐ真ん前で、口角を上げていた。
その顔に思わず見惚れる。
「一日中。つまり、今日の朝からだから、明日の朝まで」
望の瞳があたしを射抜く。
「24時間、俺を見張ってくれるんだろう?」
‐完‐



