「…うん」
早乙女さんが彼女じゃなかったと言うなら、やっぱり望が親しくしてる人なんて思いつかないし、その通りなんだと思う。
日中は男子とばかりつるんでるし、朝夕は部活が忙しい。
お付き合いする暇がないんだから、きっとおばさんの気のせいよね。
「あーもう、母さんにはめられた気がする!!」
望はガシガシと頭をかいた。
「どういうこと?」
「母さんは俺の気持ち気付いてるし、きっといつまで経っても進展しないからハッパかけようとして…」
望はハッとしたように口を押えた。
今の、どういう意味だろう…?
「それで、真央は俺に彼女なんていないってわかってて見張ってたんだ」
さっきまでと声の調子が変わった。
表情まではわからないけど、ニヤリと笑ってる気がする。
「だって仕方ないじゃない! おばさんの性格だと、一日中望が彼女と接触しないの確認しないと納得してくれないもん!」
「一日中?」
「い…一日中…」



