特命24時 〜恋の秘密を暴きます!?〜【短編】


唇を近づけられ、あたしは息をのんだ。



「お…」


「お?」



言いたいのに、喋るだけでも唇が触れてしまいそうで、震える。


あたしは口に力を入れるようにして、最低限の動きで声を出した。



「おばさんに頼まれて…」


「うちの母さん?」


望が驚いた声を出して、体を後ろに引いた。


離れた顔にホッとする。



「最近、望が怪しいから彼女いないか探ってくれって」


そう言うなり、望は「はあ~」と息をつきながらしゃがみ込んだ。



俯いていて、その表情はわからない。



「望?」



声をかけると、望は顔をあげた。


あたしを真っ直ぐに見る。



「彼女なんていないから」