特命24時 〜恋の秘密を暴きます!?〜【短編】


「そんなの事実無根だよ。よくバスケ部の練習見に来るからそんな噂たったみたいだな」


「そう…なんだ」



事実を知ったら拍子抜けで、それしか言葉が出てこなかった。



望がニヤリと笑って顔を近づける。


さっきから近いのに、さらに近くなって、あたしは逃げ出したくなった。


でも、横も前も後ろも塞がれて、逃げ場なんてない。



「妬いた?」


「や…妬いてなんか…」


ちょっとでも動けば望に当たりそうで、緊張する。



「ふーん。まあ、いいけど。で、今日はなんで不自然なくらいに俺を付け回してたんだ?」


「えっ」


「朝も、昼も、放課後もずっと見てただろ?」


全部バレてるー!!!



「そ、それは…」


あたしは返答に困った。


おばさんに頼まれたとはいえ、これ、本人にバラしちゃってもいいの?



「言わなきゃキスするぞ」