「朝までこのままだろ。こけなかったら閉じ込められることもなかっただろうに」
望があたしの後ろに立った。
「相変わらずドジだなぁ」
そんなことない!と言いたいのに、図星なだけあって返す言葉が見つからない。
すると、望は少し低く、かすれた声で言った。
「…そんなんだから、真央を放っておけなくなる」
「そ、そんなこと言われたら、女の子はみんな自分に気があるのかなって本気にしちゃうよ」
望が変なこと言うもんだから、焦って早口で言った。
声がうわずる。
望があたしをなんてあるわけないのに、顔が火照る。
「…すればいい。真央にしか言わないから」
耳に口づけるように囁かれた。
パッとその耳を塞ぐようにして押さえ、振り返った。
すぐそばに望の真剣な瞳があり、ドキリとした。



