「えっ」
「うわ」
体を起こそうとして、何かに頭をぶつけた。
「痛い…さっきからなんな…」
思わず言葉を飲み込んだ。
上に何があるんだろうと、見てみたら、すぐそばに顎を押さえた望の顔があったんだ。
床にこけたあたしの上に、望が馬乗りになっている。
「望、何してるの?!」
「さっき真央がこける時に、真央を捕まえようと腕を掴んでたから巻き添えでこけたんだよ」
「そ、そうなの?」
こけたことに気を取られすぎていて、全然気づかなかった。
望の言葉が耳にダイレクトに響き、ドキドキする。
「それより、なんで真っ暗なの?!」
「あー…」
望は言いにくそうにしながら、あたしの上からどいた。
その態度を、訝しげに見る。
「たぶん、部室の鍵閉められた」



