特命24時 〜恋の秘密を暴きます!?〜【短編】


いつの間にか真後ろに、望が笑みを浮かべて立っていた。



笑ってるのに、目が笑ってない。


その状況に、あたしは体が硬直したようになって動かなかった。



「いつもは俺のことなんて無視してるくせに、今日は俺の周りで何してたんだ?」


「そ、それは…」


「それは?」



ひいっ。


低い声に怖くて、あたしは息をのんだ。



「た、頼まれただけだから!!」


あたしは金縛りから逃れるように、手を振り切ると、全力で走り出した。



「おいっ」


望の呼び止める声が聞こえるけど、足は止まらない。



途中、部室から出てきたバスケ部のメンバーたちとすれ違った。


ちょうど無人になった部室が視界に映り、あたしは何も考えずにそこに飛び込んだ。



だけど、部室の中は部員の荷物が乱雑にあったけど、死角になる場所がなくて、あたしは冷や汗を感じた。