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お昼休み、あたしは友人の菜々と体育館にやってきた。
望はほぼ毎日のように、ここでバスケ部の仲間とバスケをしてるんだ。
同じように見に来ている女子の集団もちらほら。
望は楽しそうにドリブルをしていた。
ホント、バスケが大好きなんだなぁ。
望がシュートを決めると、ギャラリーの女子たちから歓声が上がる。
望は男子とハイタッチした後、ワイシャツで汗を拭いた。
そういう仕草ひとつにドキッとしてしまう。
「櫻井くん、カッコいいね」
「そ、そうだね」
櫻井とは望のことだ。
今日は望の話題を出されるとドキッとしてしまう。
それでも、あたしの目は望を追いかけてしまう。
「あ、ねえ」
菜々に袖を引っ張られ、あたしは彼女を見た。
「隣のクラスの早乙女さんだよ」
「ほんとだ…」



