悲しくなって目線を下げた時、西崎くんが溜め息をついたのが耳に入ってきた。


「っ」


やっぱり迷惑なんだ。


ちょっと走っただけでヘロヘロになった私を、きっとめんどくさい女だって思ってる……。


私は謝ることしかできなかった。


「あ、あの、ごめんね?待たせちゃって」


「別に。雨やまねぇし」


「そ、そうだよねっ」


雨が降ってるから仕方なくここにいるんだよね。


私を待ってるわけじゃない……。


また落ち込んでしまった時、西崎くんが私の横にどすん!と座ってきた。


……その距離は手を伸ばさない限りは触れることのないくらい遠い距離。


人はパーソナルスペースがあるというけど、西崎くんにとっては触れることも許されないくらいの距離が、私との距離なんだ。


もう、落ち込むことばっかりだ……。