「はぁ、はぁ……っ」
もっ、むっ、無理……っ!!!
息が苦しくて死にそうだし!
そんな私とは正反対で、余裕の表情で西崎くんは雨を眺めていた。
「はー。ここなら、大丈夫だろっ」
「ん、うんっ、はぁ……っ」
入り込んだのは四角公園の像の横にある、ちょっとした屋根のある場所。
確かに雨宿りにはピッタリだけど……、近くにコンビニあったんだし、そこで良かったんじゃ……!
「あーびちょびちょだし。最悪。ったくついてねぇな」
「そ、だね……」
疲れきってしまっていた私はヘロヘロと答えることしかできない。
西崎くんはイライラしてるように見えたけど、そんなこと考える余裕はなかった。
西崎くんに掴まれていた手から逃れ、私はベンチに座り込んだ。
はぁ、と息を整えながら、私は酷いことになっているはずの顔を手で覆う。
「トロ?」
「あ、ご、ごめんね?ちょっと、疲れちゃった……」
「あ、そう。ていうかそれ、運動不足じゃね?」
「ん、そうかも。へへっ」
心配掛けたくなくて、私は笑顔を浮かべた。
……心配してくれるとは思えないけど……。

