ザーッ!
「きゃあ!」
「げっ!最悪っ!トロ、こっち来い!」
いきなり降りだした雨。
それはまるで私の涙の代わりのようで。
雨と一緒に泣いてしまおうかと思った時、頭にずしん!と何かが乗っかってきた。
な、何!?
「それ持ってろ!」
「えっ?」
ま、まさかの荷物持ち!?
戸惑ってしまったけど、断ることなんてできるわけはなくて、私は頷く。
「う、うん!ひゃ!?」
さらに、私を試練が襲う。
西崎くんが私の手を掴み、猛ダッシュし始めたのだ。
西崎くんはスポーツも万能。
でも私は運動がすごく苦手。
つ、ついていけるわけ、ないよーっ!
何度も転びそうになりながら、私は必死に西崎くんの後を追った。

