「ごめんねっ?」
出来る限りの笑顔を浮かべて、西崎くんの表情を窺う。
「ったく、遅刻したらどうすんだよ」
「ご、ごめ……っ!」
西崎くんが機嫌が悪そうに言ってくる。
やっぱり怒ってるんだ、どうしよう……!
不安になった瞬間、ふわりと温かいものが私の手を包んだ。
「!」
西崎くんは私の手を引くようにして、前を向いて無言のまま歩き出す。
……好きと思われていないかもしれない。
でも今は西崎くんのそばに居れて、手を繋いでもらえて……すごく、幸せ。
これからも西崎くんのそばにいたい……。
私は願うように、公園にある像を見つめた。

