「って、七星、大丈夫か?」
「だ、大丈夫……っ」
私の顔を優しい顔で覗き込んでくる西崎くんに心配を掛けちゃいけないと、私は震える身体に力を入れて、にこっと笑った。
「……なようには見えねぇけど?」
「え?ひゃっ!?」
突然西崎くんが身体の向きを変えて、私の震える身体をぎゅっと抱き締めてくれる。
「我慢しなくていいから」
西崎くんにぽんぽんと頭を撫でながら言われた言葉に、私は気が抜けてしまって、すがりつくように西崎くんの制服を握って、顔を埋めてしまった。
本音が漏れる。
「……うぅ~、怖かったぁ……っ」
「……もう、大丈夫だし。俺がいるだろ?」
私が落ち着くようにと撫でてくれる西崎くんの手が温かくて優しくて。
この手が私だけのものになって欲しかったと、心から思った。
数分間そうした後、そろそろ西崎くんから離れなきゃと私はモゾモゾと動いた。
でも、何故か腰に置かれた西崎くんの手が離してくれない。
あ、あれ?

