不安女子の、恋。





たくさん泣いた。


涙がなくなるんじゃないかと思うくらい。


西崎くんの姿を見るだけで辛い気持ちが私を襲うけど、学校では笑顔でいようと決めていた。


友達にも心配掛けられないし……


もし西崎くんが私を見てくれた時に、気にしないように。


「それウケる!」


「でしょ~」


「ね!……っ、」


友達と話しながら教室に向かっていた時、バチっと西崎くんと目が合った。


久しぶりのことに、どくん!と心臓が跳ねる。


目を逸らせないでいると、ぱっと西崎くんが私から目を逸らした。


……やっぱり嫌われてる……。


「ナナ?」


「あっ、うん!何でもないっ」


友達が心配そうに話し掛けてきたけど、私は笑顔で平気だよと伝えた。


そして、西崎くんにちらりと目線を移すと。


「……もう、忘れたい」


西崎くんが西崎くんの友達にポツリと言った台詞は、私とのことを言ってるような気がして……また、ズキンと胸が痛くなった。