不安女子の、恋。





キスをしてから3日後の放課後だった。


図書室から戻ってきた私が教室に入ろうとした時、西崎くんとクラスメートの女の子の声が聞こえてきた。


「北斗、所沢さんとはどうなの?」


女の子の声を聞いて気付く。


……この子、西崎くんのことが好きな子だ……。


「あ?別に言うほどのものじゃないけど」


「えー、そうなの?」


「まぁな」


私のことを何とも思っていないような言葉が、西崎くんから出てくる。


わかってたけど、実際に言葉にされてしまうと悲しくなる。


「じゃあ、私が立候補すれば良かったかなぁ?所沢さんにコクられてそのまま付き合ってる感じなんでしょ?」


「え?あー、まぁ。お前と付き合ったら楽しかったかもな。楽そうだし」


「だよねっ!私たち趣味合うし!」


楽しそうな笑い声が聞こえてくる。