不安女子の、恋。



「黙って。」


「え……んぅっ!?」


西崎くんが不機嫌そうにぽつりと溢したと思ったら、私の視界が暗くなった。


そして……


唇に感じる、柔らかくて、温かいもの。


……嘘。触れてるのは……西崎くんの、唇?


今の状況が信じられなくて何もできないでいると、西崎くんの唇が私の唇を食むように触れてきて……その気持ちよさに、つい声が出てしまう。


「ん、ん……っ」


自分のものとは思えないくらいの甘ったるい声と吐息。


そして西崎くんからされるキスの気持ちよさに、身体がどんどん熱くなっていく。


もっと触れてほしい、なんて思ってしまうくらいに。


私をさらに溺れさせるような行為を西崎くんはしてくる。


「ん……っ!」


ぬるりと私の口内に西崎くんの舌が入ってきて……私を翻弄するように動き回る。


触れた所から聞こえるくちゅりという水音と、雨が奏でる水音。


重なる2つの水音が私たち二人を包み込む。


もっと西崎くんに近付きたいという欲が出てしまった私は、西崎くんの制服をぎゅっと握った。


……西崎くんが、好き。