人の出会いは

いつも突然で

喜ぶ暇さえ与えない

僕らの出会いを

覚えてる?

僕はもう忘れたよ

ただ僕の心を

写したように

空は澄んでいた

夕暮れ時

烏が鳴く

堤防で初めて

キスをしたことすらも

今じゃ遠い昔のようで

なんだか悲しいけど

君と過ごす毎日が

嬉しくて

ただただ幼い愛に

夢中になっていた

君と夫婦に

なることを望み

小さなダイヤのついた

指輪を買った

あの気持ちを

今も忘れては

いないよ

澄んだ空の下で

僕らは

共に過ごすと決めた

あれから

歳を重ね

子を授かり

僕らはもう

老人だけど

今でも

手を繋いでいたいと

思うんだ

それなのに

僕の命はもう永くない

だから

僕が眠るまで

君の手を

貸してくれないか

今日も空は

澄んでいるね

よく眠れそうだよ