仕事も一段落

長く狭い旅路を

ストレス発散しながら

バイクで走り抜ける

うるさいからと

苦情がくる前に

エンジンを止めた

家の手前

向かいの家の

彼女の部屋から

青白い光が見える

きっと今日も

パソコンを開き

チャットを

しているんだね

急ぎ足で家に入り

青白い光に目を凝らす

やっぱり彼女はいた

声をかけてみようかな

久しぶりと書き込み

彼女の反応を窺った

返事はない

だけど

窓をみると

手を振る彼女がいた

そんな彼女を

僕は愛してる

病気と闘う彼女の

邪魔はしたくない

チャットだけで

会話をする毎日

くだらない会話ばかり

だけど

外に出れない彼女は

それだけで

喜んでくれた

きっと病気は治るよ

なんて医者でもない

僕は言わない

窓越しでも毎日会える

それだけで幸せなんだ

生きていて

くれたらいい

それだけで幸せなんだ