春の陽射しが

木漏れ日となって

僕を照らした

あのとき

木の下で

読書をする

彼女に恋をした

季節はすぎてゆき

やがて夏になった

熱をおびた

コンクリート

蜃気楼のように

ゆらゆら揺れていた

いつしか

彼女を見なくなった

暑さのせいかな

それとも

読書に飽きたかな

太陽が僕を睨んだ

そして

熱にあてられ

夢をみたよ

彼女が木の下で

僕を呼ぶ夢さ

いつしか

現実になることを

祈っていた

だけど

いつもの木の下に

彼女はいない

今日も暑いからさ

仕方ないんだ

秋になれば

やがて

来てくれるだろう

その日まで

待ってみるよ