あたしが中1のとき。

好きな人がいた。

名前は貴之(たかゆき)。

貴之はクラスでモテているほうで

クラスの人気者。

貴之とはそれなりに仲が良くて。

あたしもそれなりに人気があったというか。

まぁモテていたほうらしい。

あたしがその時仲が良かったのが美咲(みさき)

美咲は小学校から一緒ですごく信じれてた。

なにかあると相談したりして。

でも、裏切られたんだ。

「成海さ。貴之のこと好きだったよね。」

「ま、まぁね。」

そして、美咲は言ったんだ。

「じゃあ、あたしが奪ってあげる。」

「え...?」

「あんたなんか貴之と釣り合わないよ。

だから、あたしがあんたの目の前で貴之を

奪ってあげる。信じてた友達に好きな人を

奪われる気持ちはどう?」

「ウソでしょ...?」

「こればっかりはホントなんだなぁ。」

「なんで...?」

「あたしさぁ...

あんた気に入らないんだよね。

可愛くて、人気で?成績もそれなりで、

明るくてさ。運動もできて。

あんたいいものしか持ってないじゃん。

あたしが前好きだった人になんて言われたと思う?

お前に告られるより成海に告られたかったって

言われたの。あたしはいつもあんたの引き立て役。

どんだけ惨めな思いしなきゃいけないわけ?

なのに、せっかく仲良くなった貴之まで

あんたのことを好きになった。」

「え...?貴之があたしのことを好き...?」

「そうよ。だから言ってあげたの。

成海はあんたなんか眼中にないよって。」