始業式も終わり、教室に帰ってくる。

「爽羽さん...?」

「はい?」

「あ、あの!わ、わたしっ神島美由(かみしま みゆ)っていいます!」

「神島さん?よろしく」

「あの...谷岸くんとはどーいう関係で...?」

「谷岸くん?あー広夢ね!今日知り合ったばっかだけど??」

「そーなんだ!なんか仲良さそうだったから」

「もしかして神島さん。広夢の事好きなの?

てか一目惚れ??」

「...。」

「図星やん笑そーなんやね♪」

「こ、このことは谷岸くんに言わないで!

お願い!!」

「わかったわかった笑

てか、そーなら広夢としゃべってみる?」

「え!!そ、そんな恥ずかしい...」

「そんな恥ずかしがってたらいつまでも

距離遠いままだって!ほら、ちょうど広夢いるし。」

「そんな急に...」

「まぁいいじゃん笑

ひーろーむー!!」

「えー!!ちょ、ちょっと!心の準備がまだ...」

あたしの声を聞いて広夢がこっちにくる。

「なんだ?成海。その子は?」

「この子神島美由って言うんだって!

さっき仲良くなったの。」

「美由か...よろしくな!」

「よ、よろしくお願いします。」

よっぽど嬉しかったのか美由は顔が真っ赤だった。

あたしはまだ美由の性格をよく知らない

でも、人を好きになったときの女の子の気持ちはわかるから。

だからあたしはあの2人を会わせたんだ。

好きでも思いが通じなければ

ものすごく辛いことをあたしは知っていたから...

人をまだ信じる気にはなれない。

だけど、あたしはこの時大きな一歩を踏み出していたんだ。