「いや、やっぱり私にはわかんないわ。それより、神谷くんの方がかっこいいでしょ。まっ、あんなヤツはほっといて休んで休んで、神谷くん」
私はそう言ってニコッと笑い、神谷くんの背を押してベンチの方へ連れていく。
その時なぜか殺気を感じた。
振り向けば、一瞬だけアイツの鋭い目と視線がぶつかり合う。
私の心臓はなぜなのか高鳴る。
でも次の瞬間には、またアイツは無関心そうに突っ立っていた。
女子に群がられながら。
きっと気のせい。
幼馴染の私でさえ、口数が少なくて無愛想なヤツだ。
気にすることなんてない。
「ほらー、みんな反省会するよー! エース様は気にせずやっちゃおー」
私は元気よく声を出して試合後のみんなに笑顔で呼びかけたのだった。


