「まぁいいや。行こ」
歩き出す時、私は自然と振り返ってしまった。
誰もいない。
何を私は期待しているんだろう。
「――あ、そういえば」
そう言い夢は私の方を見る。
「さっきの、何だったの?」
「…何でもないよ」
「ほんと?」
「…うん」
「……なら、いいけどさ」
「…うん」
また歩き出す。
「あ、でさ、ハンバーガーでいい?」
「…へ?」
「もー何言ってんの?何か食べて帰ろーよ」
「…何で?」
「なんでって、ほら」
夢は振り返ってウインクした。
「私達、今日から女子高生でしょ!」
「…あ、そうか」
私が、すっかり忘れていることだった。

