「いや…」


「夢…?」


「あのさぁ、私聞いたんだよね」


「なに、を?」


空気が重い。夢の顔はみるみる暗くなっていく。


「この学園、おかしいの」


「…え?どういう…こと?」


私は詰め寄る。


夢は苦しそうに言った。



「ここの学園長はね、大神のお父さんなの」


「え…本当に…?」



私が聞くと、夢は首を横に振った。



「ただの、噂だけど…」


なんだ。と私は安心した。


「でも」


「…?」


「本当だよ。私は…そう思う」


「…何で?」



つい、強く言ってしまった。



「何で、そう思うの…?」