でも、別人にしか見えない。



私は、ついに目までおかしくなってしまったのだろうか。




…でも、はっきり思ってしまった。



――信じたくない。



「…夢、大神君のこと、知ってるの?」


私はやっとの思いで言った。


「うん。だって有名だよ」


「有名…なの?」


私が聞くと夢は小さく頷いて、


「すっごい問題児なんだって」

と言った。



「へ、へぇ」
 


言葉は何でもないようにしていても、心にまで嘘をつくことはできない。




正直驚いた。







たった数時間前の出来事が、こうもあっさり裏切られるなんて。