でも、別人にしか見えない。
私は、ついに目までおかしくなってしまったのだろうか。
…でも、はっきり思ってしまった。
――信じたくない。
「…夢、大神君のこと、知ってるの?」
私はやっとの思いで言った。
「うん。だって有名だよ」
「有名…なの?」
私が聞くと夢は小さく頷いて、
「すっごい問題児なんだって」
と言った。
「へ、へぇ」
言葉は何でもないようにしていても、心にまで嘘をつくことはできない。
正直驚いた。
たった数時間前の出来事が、こうもあっさり裏切られるなんて。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…