横を向くと、夢…が窓の外を指差していた。
「…え」
窓際の私。
右を向くと夢がいて、左を向けば温かいお日様がさんさんと降り注ぐ。
そ
んな天国みたいな空間で、私の目に飛び込んできたのは、間違いなく地獄の光景だった。
「なに…あれ」
「…大神じゃない?」
「…え?!」
驚いて夢を見る。
……冗談、だと思った。
しかし夢は真面目な顔で、頷いた。
「そうだよ、あんな派手に喧嘩する奴、昴ぐらいだもん」
「なにそれ…」
校庭に見える真っ赤な血。
吐き気が…する。
あれが…あの人を殴って血を浴びているのが、大神君?
同姓同名?
…そんな上手い話、あるか。

