ヤンデレに死ぬほど愛されてます

「ねぇ、誰と電話してたの?
何で僕の電話には出ないの?」

近づいてくる孝太郎に、思わず後ずさりをする。
もう後ろに下がれない。

私は強く目を瞑った。


「…え?」


予想外のことに、驚きと動揺を隠せなかった。


孝太郎は、優しく私を抱きしめている。


「ごめん」


なんで、謝るの…?


悪いのは私なのに。
どうして孝太郎が…。


「怪我…させてごめん。
でも、お願いだからどこにもいかないで。
俺のそばにいて」


「孝太郎、行こっか」

「?」

キョトンとする孝太郎に、私は微笑んだ。

「文化祭、一緒に回るんでしょ?」

「…!うん!」


自分の甘さに気がついた。
さっきまでは震えるほど怖かったのに、
今はこんなにも孝太郎が愛しく感じる。


文化祭は十分に楽しんだ。

…もし、また今日の様な怖い思いをしても
私は孝太郎を許してしまうのかな。