次の日の朝、いつものように学校へ行く。

…孝太郎は、夜の話をしない。
私も切り出すのが怖いから。


学校に着いて早々、職員室に呼ばれた。

文化祭実行委員長の私と、
隣のクラスで副委員長の杉村君が。

「えー、文化祭も今週に迫ってるけど作業が全然
進んでないのよねぇ…。
あなたたち、放課後残ってパンフ作りしてくれる?」

「はい…」

孝太郎に何て言おう…。

「雨宮、今日の放課後残れるよな」

廊下を歩きながら、杉村君が優しく聞いてくれる。

「うん…孝太郎に言わないと」

「あぁ、彼氏?大変だね」

杉村君は長身の爽やかな感じの男子。
なんか他の男子と話すのって新鮮だなぁ。


「じゃあ、放課後」


杉村君に手を振って、教室に戻った。


「おかえり夢葉、先生何だって?」

「あ、孝太郎あのね…今日一緒に帰れないやごめん」

孝太郎は一瞬キョトンとして、笑った。

「うん、わかった。帰ったら電話してね」

「あ、うん」

意外とすんなりわかってくれた…。

孝太郎の携帯と、私の携帯には遊園地で買った
お揃いのストラップがついている。

「あ、真紀お土産」

「え!嘘、ありがとう!」

真紀に買ったお土産を渡して、席についた。