ガバッ、

と、ウィリアムははね起きた。

「TAHOELK……」

マリアは、眠りが浅かったせいか、目を覚ましてしまったようだ。

「なぁにぃ……?」

彼女は寝そべったまま、眠い目をこすっている。

普段と立場が逆転している。

「暗号が、解けた……」

「ほんと!?すごい!!」

「思いついてみれば、簡単な仕掛けだよ。

最初の文は、囮。

道順なんて示しちゃいなかったんだ」

「つまり、上の文も、究極的にはただのアルファベットの羅列だったってこと…?」

「さすがは一流財閥の後継ぎ候補、飲み込みが早いな」

マリアは完全に目が覚めたようだ。