「おい、あんたら」

エドモンドの低い声がした。

仕切り壁の窓ガラスを下げて、こちらをのぞき込んでいる。

「もう日が暮れた。あんたらは休め。見張りは俺がやる」

「いいのか」

「これが仕事だ。代わりに、俺は撃ち合いに関してはノータッチでいかせてもらう。目をつけられたくないんでな」

「分かった。じゃあ、お言葉に甘えて、寝かせてもらうよ」

ウィリアムは軽く右手を上げて挨拶した。

小窓は閉められた。

ウィリアムは座席に寝ころんで、頭の後ろで手を組んだ。

マリアは横向きに横たわり、ウィリアムを見つめている。

なんだよ、視線が気になって寝づらいな……。

ウィリアムはそう思ったが、強引に目を閉じて寝る努力をした。

すぐに、隣からすやすやと寝息が聞こえてきた。

疲れていたんだな。

ウィリアムは、マリアの小さな寝息を聞きながら、ストンと意識が落ちていった。