ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』

それからずっと、2人は黙ったままだった。

2人の足音が、カツン、カツン、と反響していた。

時おり、水しぶきが上がるような、パシャンという音がした。



マリアの心配はよそに、ウィリアムは暗号について考えていた。



2文目の文字列。

何文字かで1つの情報をコードしている、ってのは有り得ないだろうか。

AKJJJKJZECKKCJJJ

なら、2文字ずつくらいがちょうど良さそうだが。

法則性が見つからない。

もう少しで分かりそうなんだが……



気がついたら、行き止まりにきていた。

汚水は、そのまま流れていくが、歩道が途切れたのだ。

トンネルが狭くなって、汚水が流れるルートだけが残った様子である。

「着いたぞ。この上だ」

ウィリアムは、傍らの梯子を上りはじめた。

マリアも続いて、梯子に手をかけた。

10メートル近く上がると、マンホールの蓋のような丸い出入り口があった。

ウィリアムは、それを片手で押し上げた。