ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』

地下道は、マリアにとって、思いのほか広かった。

隣を下水が流れているため、悪臭がひどく、彼女はハンカチで口と鼻を覆わなければならなかった。

「ねぇ、ウィリアム」

ん?と、前を歩いているウィリアムが、チラッと振り返った。

興奮がおさまってくるうちに、ある事実が、マリアの脳裏に浮上してきていた。

薄々わかってはいたが、訊かずにはいられなかった。

「さっきの人たち……どうなっちゃったの?」

「まず助からないだろうな」

「…死んじゃった…ってこと…?」

ウィリアムは黙った。

「ねぇ、それって、あたしたちが……」

「言うな。あの場は、やらなきゃやられてたんだ。向こうも、それを承知で参加してるんだ」

今度はマリアが黙った。



もし、そうなら。



ウィリアム、貴方も……?