105号線に面した、レンガ造りの2階建ての家。

窓辺に腰かけた女の下を、2台の乗用車が駆け抜けていった。

女は、手にしたタバコを傍らの灰皿に捻りこみ、はぁっとため息をついた。

「行っちゃった。ねーぇ、ロベルト。まだ解けないのぉ?」

女は、甘ったれた声で部屋の奥に呼びかけた。

「急かすなよ」

奥から、長身・金髪の男が現れた。

「エリザベス」

女の名前を呼びながら、彼女の後ろに立ち、髪を撫でる。

そのうち、右手が女のキャミソールの中に伸びていく。

女はその手を引き出しながら、笑った。



「お楽しみはまだよ。暗号が解けてから、ね」