ウィリアム&マリアシリーズ1『アーヴィング家遺産争奪戦』

ウィリアムはバックミラーを一瞥した。

大きな黒い乗用車が、横道から勢いよく105号線に入ってくるのが見えた。

ウィリアムはさらにアクセルを踏む。

時速100キロを超える。

車窓がクルクルと変わる。

後続車の助手席から、黒服の男が上体を乗り出し、銃を構えるのが見えた。

パパッ

パパパッ

車体が激しく上下する。

ガタッ

と音を立てて、トランクが開いた。

ウィリアムは舌打ちした。