パパパパパパッ

「きゃあっ」

ビシッと音を立てて、フロントガラスにひびが入る。

ウィリアムは、今度はハンドルを左に切った。

ギュン、と車が進路を変える。

バンッ

車体が大きく揺れる。

ボンネットに穴が開いた。

「くっ」

ウィリアムの目つきが鋭くなる。

道の両脇に、確認できただけで3人。

もっといるに違いない。

「ウィリアム…」

左肩に赤いものがジワリと滲む。

「いいから!お前は座席でもなんでもひっ掴んでろ!放り出されるぞ!」

焦り。


落ち着け、ウィリアム。

お前が判断をミスったら、すべて終わりだ。